北極30えもん25 | biko先生のマネー奮闘記

北極30えもん25

「第ニ話 秘密のプレー」その14
『ぽーっぽっぽっぽっぽっぽ
ぽーっぽっぽっぽっぽっぽ
くわっくわっくわっくわ
ぽーっぽっぽっぽっぽっぽ
何でも食べちゃうジャンキーが、また隣の小屋から来てる。なんで?こいつは時々、他人の餌を荒らしにこっちの小屋へやって来る。困ったことに進くんと仲が良いのだ。進くんはこっちの小屋のリーダー。このなよなよした奴がなんでリーダーなのか理解に苦しむが、他の仲間によると「人生に一度だけまぐれ当たりした」のだそうだ。何にまぐれ当たりしたんだろう?人間にでも褒(ほ)められたのかな?
ちょうど人間がやって来た。名前は知らない。人間という奴は男か女かも良く分からない。ただ、親切な奴で1日に一回、食べきれないほど食べ物を置いていってくれる。毎日、同じ物が続くのが玉に瑕(きず)だが。
やったー!!今日のご飯は栗!ここのところ毎日、麦ばっかりだったもの。飽きちゃった。栗って甘いから好きなのよ。皮を剥(む)くのが面倒だけど。そういえばジャンキーと進くんが以前「栗は皮かぶりだ」って言ってたな。なんか同じピラーズに入居する社長の集まりで温泉旅行に行った時に見たんだって。温泉旅行?
ジャンキーと進くんがまたわたしの後を付回し始めた。
こーっこっこっこっこ
もう、やりたいならやりたいってはっきり言えばいいのに、ただ後を付回している。
こーっこっこっこっこ
時々わたしのお尻の匂いを嗅いだりして、いやらしい!こんな連中になんか絶対やらせてやらない。わたしがOKなのは「抱きたい」とかはっきり言ってくれる男らしい?あれ?オスらしいか!そういう人?っていうかオス。
ああ、そんなこと考えてるうちになんかアソコが熱くなって来ちゃった。あれ?なんか出ちゃう。なんだろう。あああ、卵?誰の卵なの?お父さんは誰?えーっとえーっと。分からない。もう一年以上やってないし。あれ?でも北極とやったか。北極?あれはバイブじゃん。なにそれ?ああ、でるうう。そんなこと考えてる間に出ちゃう。卵があそこから。ああ、嫌!ジャンキーと進くんが覗(のぞ)き込んでる。嫌、あっちへ行って!あんた達の卵なんかぜーーーーったい生まないんだから。でも、あああ。出ちゃううううううう』
倫子は、鶏になった夢を見ていた。そういえば子供の頃、おねしょをする時は決まって洪水の夢を見たものだ。夢というものは、人間の身体に起きたありきたりな現象を、見事にドラマ化してくれる。スペクタクル物の映画が好きな倫子は、名優スティーブ・マッキャーンンが主演した大洪水を描いた大作「ホテルはリバーサイド・インフェルノ」を見た時、おねしょの時の洪水の夢とあまりに酷似していたことにショックと感動を覚えた。もし自分が子供の頃から夢日記を付けていたなら今ごろスペクタクル小説の大作家になっていたかもしれない、と思ったものだ。
つまり、夢と似たようなことが起きてるのだ、と倫子は思った。夢?ということは自分は寝てしまったのか?なぜ?だいたいここはどこ?今だ眠りから完全には覚めやらぬ倫子の頭に、幾つもの?が浮かんだ。
『えーっとえーっと』
考えてるうちに自分が目を閉じていたことに気付いた。不思議に思い目を見開くとジャンキーと進くんが覗(のぞ)き込んでいた。
「ぎやーーーーーー!!!!」
倫子は力一杯悲鳴を上げ、逃げ出そうと起き上がるとジャンキーと進くんはハードジャンク・インベスターズの西尻と社長だった。彼らが倫子の顔を覗き込んでいたのだ。
「倫子ちゃん、大丈夫?」
社長が心配そうに倫子の顔を覗き込んだ。
「もう少し、休まれた方がいい」
と西尻が、起き上がった倫子の肩を押し、ソファに寝かせた。
どうやら自分は失神したらしい。北極30えもんをアソコの中に入れたまま彼らと話してるうち、気持ちよさと忍耐の狭間(はざま)に耐え切れなくなったのだ。
「でも良かった。倫子ちゃんおもらししちゃったんじゃないかって心配しちゃった」
そう、彼らには昨夜飲み過ぎた為、腹の調子が悪いのだ、と説明してあった。
「あ、いえ大丈夫です」
「ええ、でも気絶したとき、なんか変な音が。ねえ、西尻ちゃん」
「あ、え、ええ」
「ええ!!どんな音です?」
「そう、なんていうか、『ヌポッ』?」
「ヌポッ?」
「そう」
倫子は最高に恥ずかしかった。子供の頃、庭でおしっこをしていたのをクラスで一番格好いい純君に見られた時より恥ずかしい。それどころか、大人になってから同級会で純君と再開、意気投合しホテルへ直行、ラブラブでいちゃいちゃして、さあ!本番という段になった時、
「おれ、倫ちゃんのおしっこするとこ見たい」と言われ、風呂場でおしっこさせられた時より恥ずかしい。そんな長々とした記憶が走馬灯のように倫子の脳裏に蘇った。
それはともかく、独身なのにこんなおやじ達にそんな自分の身体の音を聞かれてしまうなんて、普通に考えて恥ずかしかった。倫子は、再び意識を失いそうになるのを、やっとのことで堪(こら)えた。
「ところで倫子ちゃん。トイレ行った方がいいんじゃない?」
「ええ?あ、はい。それじゃお言葉に甘えて行ってきます」
立ち上がった倫子は重大なことに気が付いた。目を覚ましてからアソコの中に圧迫感が無いのが気にはなっていたのだ。しかし、まさか完全に外へ出てしまったとは思わなかった。どうやら北極30えもんはパンティの中で伸びているらしい。お股とパンティの間に異物があるのが分かる。しかしピクリとも動かない。依然、気絶しているのか?まさかアソコの中で溺死?いいや彼はアンドロイド、だっけ?ロボットとか言ってたけど、レプリカント?いかなる過酷な任務も追行してきた筈よ。でも、ちょっと心配。そう思って倫子は立ち上がった。
するとびよーん。北極の重さでパンティがずり下がってしまった。
『これはやばい』
まるでパンティの中に大型のうんちを漏らしてしまったような気分だ。倫子は両の内腿で北極30えもんを挟み込み、そのまま歩き出した。
「なあに?倫子ちゃん変な歩き方、妙な内股」
「いいえ、お気になさらずに」
そう言って倫子は内股のままトイレに向かった。ドアの締め際、社長から呼び止められた。
「そうそう、トイレで一段楽したら、もう一度顔を出すように」
オカマ言葉で無く、まともな男性の喋り方に変わっていた。
「重要な話がある」
とも。
「どのような?」
との倫子の問いに
「なあに、倫子君なら簡単。単なる栗拾いさ」
そう言って社長はダンディな笑いを漏らした。ハードジャンク・インベスターズの西尻も一緒に笑い出した。彼らの笑い声を聞きながら、倫子は内股歩きのままトイレに向かった。
(つづく)

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