総集編16~20回 | biko先生のマネー奮闘記

総集編16~20回

★16「第ニ話 秘密のプレー」その5
セミナー会場に戻った倫子は雛子対策を考えながら席に向かって歩いた。途中、満里奈と里香がいることにも気付いた。
『この連中も油断ならねー』
倫子は取り敢えず北極30えもんに注意を促さねばと考えた。
席に戻ると
「ねえ」
と小声で北極30えもんに話し掛ける。が、反応が返ってこない。小声過ぎて気付かないのか?そこでまた
「ねえ」
と言いながら、今度は脇腹を肘で突付いてみた。が、同じである。寝ている?目は開いている。仕方のないので少し揺すってみるが反応が無い。
「ちょっと北極30えもん!」
と耳元で声を掛ける。無反応。
「ちょっと北極30えもん!!」
ともう少し大きい声で言った。しかしまた無反応だ。まさか壊れた!?
「ちょっと北極!」
倫子は焦(あせ)って大声を出してしまい、周りに座る者達から注目されてしまった。また、講師の爺さんにまた
「こほん」
と咳払いをされてしまった。倫子は小声で
「済みません」
と呟(つぶや)いて小さくなった。それにしても北極30えもんはどうなっちゃったというのだろう?
声を掛けても突付いても押しても引いてもさっぱり反応が無い。壊れたか。倫子はがっくりとうな垂れた。そして思い出したようにバッグから北極30えもんの本体を取り出した。たしか北極30えもんはそれを右のポケットから取り出していた。そこで元の右ポケットに押し込んでやった。すると、
ちゅいーんんんん、ちゅいんちゅいいいいいーんんん、ちゅいんちゅいちゅいんちゅいーーーーーーん
という機械音がした。倫子は驚いて北極30えもんを見た。すると北極30えもんの目に細かい数字が流れるように表れては消えた。そして10秒くらい立って
「ああ倫子さん」
北極30えもんは目覚めた。
「良かったー」
と倫子は思わず大声を上げてしまい、再び周りの顰蹙(ひんしゅく)を浴びたが、そんなことはもうどうでも良かった。
「壊れたのかと思っちゃった」
と倫子が言うと
「十分以上本体を取り外していると、機能を停止するんです」
と、北極30えもんが言った。
「それなら最初から言ってくれれば」
「まさか倫子様がセミナー中にこれほど長時間楽しまれると思っていなかったのです」
まあ、と倫子は赤くなってしまった。たしかに、さきほど出て行ってから一時間近く経っている。雛子とのやり取りを差し引いてもゆうに30分はやってしまったのだ。倫子は少し反省した。
「あー、早く部屋に帰って北極30えもんとセックスしたいよー」
と倫子は心の中で叫んだ。
(つづく)
★17「第ニ話 秘密のプレー」その6
そんなこんなでセミナーがようやく終了した。
「ぷはーっ。やっと終わっだーー!!」
倫子が席から立ち上がり、両手を突き上げて背伸びしながらそう叫んだ。それは自由の叫びのようだったが、まだ講師の爺さんがいた。
「こっほん」
とまた咳払(せきばら)いされた。
やべ!
と思ったが後の祭り。爺さんは両手の平を天井に向け首を横に振っていた。まあいい。まあいいのだ。どうせ爺さんは客ではない。官僚の後輩が如何(いか)に気を使おうとも、下々の庶民相手の倫子の仕事にまで嫌がらせすることは出来なかろう。
そんなことより早く帰らなくては。ぐずぐずしているとハイエナの群れ、といっても一匹&二匹だが、彼女達に見つかってしまう。
「のーりこさん」
ハイエナ2号の声がした。なんと抜け目無い!もうここに来ている。
「あら、どうしたの満里奈さん?」
「そちらの方を紹介して頂こうと思いまして」
「え?だって彼、ただの派遣からきたアルバイターよ。紹介なんて、嫌だわーほほほほほほほほほほほほほほほほほ」
「わたし満里奈っていいまーす。よろぴくね!」
って勝手に自己紹介した。
「里香ちゃんでーす!今日これから忙しいんですかー?飲みに行きません?ね?いいでしょー。割り勘でいいですよ、割り勘で」
いきなり誘ってきたのだ。
「ちょっとちょっと皆さん。彼はこれから私とお仕事のお打ち合わせがあるんでございますの。ご宴会その他はまたの機会にお願いしますねー」
ほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ
と倫子は笑いながら満里奈と里香を突き飛ばし、北極30えもんの腕を引っ張って会場の出口に向かった。一番危険な雛子に見つかる前にここを去らねば。横目で見るとのろまな雛子はまだ席から立ち上がっていない。
よしっ
と出口から出ようとしたところで
「倫子ちゃ~ん」
と声を掛けられた。社長だ。
「何か?」
と、迷惑そうに返事をしたが、
「えーとっ、えーとっ、」
とはっきりしない。この社長は大して用が無いくせに話し掛ける癖がある。へたをすれば長時間拘束(こうそく)されかねない。
「あの社長。私急いでおりますので」
「そんな冷たいこと言わないでよー倫子ちゃ~ん。安心して相談できるのは君だけなんだよー」
相変わらず気持ちの悪い野郎だ。しかし社長だから仕方が無い。
「何か、問題でも?」
「問題って訳じゃないんだけど、なんかー、今日のセミナーどうだったー?ハードジャンク・インベスターの野郎がさー、なんかいいように」
つまり愚痴か、と倫子は思った。愚痴であればキャバクラにでも行ってキャバ嬢に聞いてもらえばいい。
「あの社長。その件は明日、社長室へお伺(うかが)い致しますので」
「う~ん、でもー。駄目なんだよねー明日じゃーーーーー」
ああ、もうじれったい!と倫子は思った。早く北極30えもんをここから連れ出さなきゃいけないのに、と思ってふと気付くと北極30えもんがいない。腕を掴(つか)んでいた筈なのに、社長との話しに夢中になって離してしまったらしい。倫子は慌てて周りを見た。セミナーが終わり、会場からエレベーターホールに向かう人の波の、どこを見ても見当たらない。まさか!?雛子に誘拐?
倫子は落ち着こうと務めた。こういう時は落ち着いて犯人の身になって考えるのだ。おそらく予想の逆手を取るに違いない。と、いうことは、普通誰もがエレベータホールに向かうと考える、つまりその逆。倫子はエレベーターの方向とは逆方向を見た。そして
は!
と重大な事実に気付いた。その方向には滅多に使わないので気付かなかったが非常口、つまり階段があった。倫子は人波に揉まれながら非常口の方へ移動した。すると開いている筈の無いそこ非常口の開かずの扉が、今まさに閉じようとしていた。誰かがそこから階段へ向かったのだ。締まる直前に扉の隙間から僅(わず)かに青い色が垣間見えた気がした。たしか北極30えもんは青い服を着ていたのだ。
「ほっきょくーーー」
泣き出しそうになった倫子に
「だからさーー、それでさーー、なーーー、ねーーー、けーーー、こーーー、もーーーー」
と社長が話し掛けてきたので、仕方なく彼の鳩尾(みぞおち)へ肘撃ちを喰らわせた。
「アン!社長失礼!あんまり混んでてエルボーが入っちゃった」
社長は白目を剥(む)き人波の底へ沈んで行った。
「ほっきょくーーーーーーーー」
倫子は非常口へ向かって全力疾走を始めた。
(つづく)
★18「第ニ話 秘密のプレー」その7
鋼鉄製の思いドアを開くと、薄暗い非常階段があった。階段も鋼鉄製。その鋼鉄を踏む靴音が遥か下、地獄の底からで聞こえてくるように小さく
かんかん
と鳴り響いてきた。耳を澄ますと
かんかん
ではなく
かかんんかかんんかかんん
つまり、二人の靴音だ。二人は倫子から逃れ、どこへ逃避行しようというのだろう?
「ほっきょくーーー逃がさないわよー」
って北極30えもんが逃げようとしてる訳ではなく、雛子が攫(さら)ったのだった。思い直して
「ひーーーーなーーーーこーーーー」
と倫子は悪魔の叫びのような声を上げ、二段飛ばしで階段を駆け下りた。倫子の怒りは二段飛ばしを三段飛ばしにし、更には四段、五段とスピードを上げ、遂には斜面を全速力で駆け下りるかのような速さに達した。折り返しでは鋼鉄製の手すりに捕まり、遠心力を利用して更にスピードアップした。そして、遂にその視界に逃げ降りる二人の姿を捉(とら)えた。
「おーーーいーーーまてーーーーこらーーー」
と叫び、あともう少しというところで二人の姿が忽然(こつぜん)と消えた。
「あれ?」
急ブレーキを掛け、全速力で走ったため捲(ま)くれ上がったタイトスカートを降ろし、周囲を見渡した。こんな閉鎖された場所に隠れるところなどどこにも無い筈。倫子は今度はゆっくりと階段を降り始めた。すると、
かっっっっっったん
といって静かに閉まった扉があった。
「ここから中に入ったわねーーーーーーー」
倫子はその非常扉を開け、中に駆け込んだ。日曜日のオフィスはどこも閉まっていて、がらんとしていた。廊下の電灯も非常用しか点いておらず、夜間のように薄暗い。先ほどの非常階段の方がまだ明るかった位だ。おそるおそる廊下を進む。廊下の先がエレベーターホールになっており、ここから丸見えだが、そこに人影は見えない。
「おかしい?」
と倫子は思った。どこかに隠れたのかしら?しばらく歩いてみたが何も音がしない。人の気配など勿論無い。
先ほど非常扉が小さく閉まる音がしたので、ここの階へ二人が逃れたのだと勝手に解釈したが、たまたま扉がきちんと閉まっておらず、倫子が階段を駆け下りた衝撃で閉まっただけかもしれない。と、なると二人はこの階に居ない。思い直して倫子は非常階段の方へ戻ろうと向き直った。来た時の半分ほど戻りかけたところで、倫子は聞きなれない音を耳にした。
きーっきーっきーっ
それはとても小さな音で、よほど耳を凝(こ)らさなければ聞き取れないほどの小さな音だったが、都会の真中とは思えないほど静まり返ったこの場所で、神経が敏感になっている倫子には十分聞き取れた。
「何かしら?」
倫子には、その音がどこから聞こえてくるのか、その方向が分かっていた。それは給湯室の隣の女子トイレに違いない。
「蛇口がキチンとしまってないのかな?いいえそんなことないわ。ここの蛇口はみんなセンサー式だもの」
ではいったい何の音だろう?
女子トイレのドアを、なるべく音を立てないように開けた。誰も居る気配は無い。それでも中へ入ってみる。個室のドアはどれも開いたまま、と思ったら一番奥の一つが閉まっている。
ひいいいいっ
倫子はこのまま引き換えそうと思ったが、好奇心がそれに勝った。いや、それ以上にその
きーっきーっきーっ
という音が更に大きくなり、いや、きーっきーっでは無い。
いーっいーっいーっ
だ。それは悪霊の呻(うめ)き声のように、大きくなっては小さくなり、小さくなっては多きなりを繰り返していた。明らかにそれは意思を持ったものの吐息である。
よく見るとその閉まった個室のドアは鍵を掛け忘れているらしい。僅(わず)かに開いている。
「お願い、迷い込んだ猫とかでいて!」
倫子はそう願いながら、胸の前で十字を切りドアを開けた。
あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
悪魔の叫びが鳴り響き、眩(まばゆ)い光線と風が吹き荒れたーーーーー、ということは無い。
「あれ?倫子様」
「あーーーーー!!何やってんの!?北極30えもーーーーーーん!」
「え?雛子様が倫子様から頼まれたと」
便器を跨(また)ぐようにして壁に手をついた雛子が
ぜーぜー
と肩で息をしていた。彼女のお尻にはなんと北極30えもんバイブが今まさに刺さらんとしている。いや、先っぽが少し入っている。
「ちょっとーーーー!!どういうこと」
「雛子様が『倫子さんから試してみてって言われたの』と言われましたもので」
「そんなこと言ってなーーーーい」
倫子は慌てて北極30えもんを雛子から離し、そそくさと彼のズボンを上げた。
「倫子さーんんん。お願いー。ちょこっとだけでいいから。もう駄目なの収まりがつかないの。このまま放置されたらどうにかなっちゃう」
「どうにかおなり!」
そう捨て台詞を吐いて倫子は北極30えもんの腕を牽(ひ)き、出口に向かった。
がちゃっ
と音がするので振るかえると
「絶対頂いてやるーーーんんん」
と雛子が泣き出しそうな声で呪いの言葉を呟(つぶや)いた。かつてのカーリーヘヤーと見紛(みまが)うほどウエイブの入った超ロングヘアーという変な髪形で、エロい気分が最高潮に達した気だるさと半べその表情も手伝って、雛子の様は魔女のように見えた。
「ちょおぉーこ・わ・ひ」
と倫子は思いながら、トイレを後にした。
(つづく)
★19「第ニ話 秘密のプレー」その8
「ちょっとあなた何考えてるの?ねえ、雛子と途中までやったんでしょ?」
「ペッティングのサービスまではさせて頂きました」
「んっまー!!もう!!あんた私専用なんでしょ!!」
「しかし色々な趣味の客様がいらっしゃるものですから、お友達にお貸しして自慢なされる方も」
「私はそういう変態じゃないわ!」
「こういう時の為にパスワードを設定することが出来ます」
「パスワード?」
「パスワードを言わないとプレイ機能が起動しません」
「ほほーそれは便利。盗まれても大丈夫ね。どんなパスワードにしようかなー」
「憶えやすいものがよろしいかと」
「そうね。それじゃ生年月日にしようかしら」
「承りました」
今日は大変な日になってしまった。明日から毎日北極30えもんを帯同しようと思ってたのに、いろいろ問題がありそうだ。。
社長は多分、ノープロブレム。北極30えもんのことをサポートのスタッフとして雇いたいと話せばNOとは言うまい。どうせ当社はペイ・フォー・パフォーマンス、簡単に言えば出来高制。或る意味、スタッフの雇用はそのグループの責任者、つまり倫子の判断なのだ。
それより問題は女どもだ。北極30えもんを虎視眈々(こしたんたん)と狙っているに違いない。特に雛子は危険だ。
雛子のグループの責任者、ヒンマゲール・モゲルに相談してみようか。でもなんて相談すればいい?人のバイブに手を出さないように言って下さい、とか?そんなこと言ったら自由主義をこよなく愛するヒンゲマールは
「No!倫子さーん。Sex=FreeMarketでなければなりません。あなたと雛子、どっちがMrノースポール・サーティーe-monにふさわしいか、自由に競争すべきでーす」
とか訳の分からんことを言い出すに違いない。
「でも北極30えもんは私の持ち物なのよ」
と主張すれば
「Oh!No!倫子。あなたは間違ってます。物件の所有権は移動するのでーす。売買や譲渡によって。それは敵対的買収も含まれるのでーす」
話すのも嫌になるほどの馬鹿だ。
尚且つ彼の場合、表向きそう言いながら
「まだ闇市の利権は渡さなくていいよー。3社で談合して決めればOKさ」
とか彼の本国、旧・共産圏に住まう家族とこっそり話してる。つまり信用ならぬ奴だ。下手すれば北極30えもんを売り飛ばす危険すらある。
「はあ、いろいろ考えてたら頭痛くなっちゃった」
考えてみれば一目散で六本木ピラーズからアパートに逃げ帰ってきたのだ。
「ねえ、なんかぐったり」
と言って倫子は北極30えもんの膝の上に乗った。
「今日は如何様(いかよう)なモードでなさいますか?」
「うーーんん。あちょこをなめなめして、三十分くらい舐(な)めっ放しがいい」
「承りました」
ちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっちゅ
ぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろ
ちゅーちゅーちゅーちゅーちゅーちゅーちゅーちゅー
ぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃ
「ほちいよ」
ぬぬぬぬっぽしっ
「あああああっっ」
にゅっちゃにゅっちゃにゅっちゃにゅっちゃにゅっちゃにゅっちゃ
「ああ、もう!ぱんぱん!」
ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん
「あぎゃー!っ」
ふーっ
倫子は北極30えもんの腕の中で安らかに眠るのだった。
(つづく)
★20「第ニ話 秘密のプレー」その9
「取り敢えずパスワードもセットしたし、これで大丈夫ね」
そう言って倫子は両手で北極30えもんの両肩をポンポンっと叩いた。出社前、倫子は北極30えもんの身体をチェックしていた。
「でも面白いわよねー。パスワードの入力まで本体でやるなんて」
「本体が全ての情報を保有しておりますので」
「へえ、じゃ携帯のメモリーみたいな機能なのね」
「そうです。固体の識別番号もここで保有しております」
「識別番号?」
「そうです。例えば私であれば[北極]工場製の[30]番、[えもん]モデルという情報です」
「ほほー、そういう意味なのね。でも、そういう情報が本体にあるってことは、身体はどうなのよ?だって取り外せるんでしょ?」
「ええ。お客様によっては身体の方をスリム、ノーマル、マッチョと3種類ほどお持ちになっていて日替わりで嵌(は)め替えてご使用されている方もいらっしゃいます」
「ええ!?なんか複雑ねー。だって顔も変わる訳でしょ。違う男とやってるみたいじゃん」
「しかし本体は一緒ですから」
「そうねえ。どんなものかしら?あれが一緒なら一緒かしら」
「お試しになられますか?」
「ええ!?えー?えー。そうねえー。うーん。えーっと。どうしよう?」
「そんなに面倒ではございません。五分ほどでこちらに届く筈です」
「でも私、北極30えもんのとこ気に入ってるから、なんか浮気しちゃうみたいで気が引けちゃうわ」
「ああ、でも私は私ですよ。人工頭脳のハードは替わりますがデータは全て本体のメモリーが保存しておりますから」
「なるほどー!じゃ、北極30えもんの記憶は全部ある訳ね」
「そうでございます」
「ならいいか。単に身体が違うだけで同じ北極30えもんだもんね」
「ちなみにこんなタイプがあります」
「どれどれ。う~ん。面白いけどこういう男性に抱かれると思うとなんか抵抗があるなあ。やめた!今のままがいいよ」
「そうでございますか。ちなみに顔はそのままで身体だけ変える、というパターンもあります」
「ええ!?う~ん、それっていいかも。それも五分くらい届くの?」
「いえ、それは標準機能に付いておりますので、今すぐ」
「ええ!?」
「このボタンを」
「このボタンってあんた乳首じゃない」
「右の乳首を押すとマッチョへ、左を押すと痩せ型へ変化します」
「どれどれ、あれ?あんまり変わらないよ?」
「押す回数で度合いが変わります」
「なるほど!じゃあ」
ぴっぴっぴっぴっぴっぴっぴっぴっ
もこもこもこもこもこもこもこもこもこもこ
「ああ!!なんか凄ーい!筋肉でごつごつして血管まで浮いてるー。なんか身体がちんちんみたいー」
「この血管がリアルでございます」
「いや!なんかいやらしい!その身体」
「お気に召しませんでしょうか?」
「ええ!?う~ん。まあああ、ちょこっとやってみたく」
「お時間がございません」
「ちょこっとなら遅れても大丈夫。社長9時過ぎなきゃ来ないもん」
「承りました」
「それじゃ忙しいから立ったまま」
倫子は立ったままタイトスカートをたくし上げた。
「バックからでごさいますか?」
「ううん。前からちて。ぎゅうううって抱きちめながら」
ぬりゅんっっっ、
ぬりぬりぬりぬりぬり
ぎゅうぎゅうぎゅうぎゅうぎゅうぎゅう
ううううううううん
ぎゅうぎゅうぎゅうぎゅうぎゅうぎゅう
ぬっちゃぬっちゃぬっちゃ
ぎゅうぎゅうぎゅうぎゅうぎゅうぎゅう
あ、あ、あ、あ、あ、
ぎゅうぎゅうぎゅうぎゅうぎゅうぎゅう
ぴんぴんぴんぴんぴん
「中でお願い!」
どっぴゅん!
はふーっ
「ああ、ぎゅうぎゅうっていいわね身体の中身が出ちゃいそうなほど感じちゃった」
(つづく)