北極30えもん16 | biko先生のマネー奮闘記

北極30えもん16

「第ニ話 秘密のプレー」その5
セミナー会場に戻った倫子は雛子対策を考えながら席に向かって歩いた。途中、満里奈と里香がいることにも気付いた。
『この連中も油断ならねー』
倫子は取り敢えず北極30えもんに注意を促さねばと考えた。
席に戻ると
「ねえ」
と小声で北極30えもんに話し掛ける。が、反応が返ってこない。小声過ぎて気付かないのか?そこでまた
「ねえ」
と言いながら、今度は脇腹を肘で突付いてみた。が、同じである。寝ている?目は開いている。仕方のないので少し揺すってみるが反応が無い。
「ちょっと北極30えもん!」
と耳元で声を掛ける。無反応。
「ちょっと北極30えもん!!」
ともう少し大きい声で言った。しかしまた無反応だ。まさか壊れた!?
「ちょっと北極!」
倫子は焦(あせ)って大声を出してしまい、周りに座る者達から注目されてしまった。また、講師の爺さんにまた
「こほん」
と咳払いをされてしまった。倫子は小声で
「済みません」
と呟(つぶや)いて小さくなった。それにしても北極30えもんはどうなっちゃったというのだろう?
声を掛けても突付いても押しても引いてもさっぱり反応が無い。壊れたか。倫子はがっくりとうな垂れた。そして思い出したようにバッグから北極30えもんの本体を取り出した。たしか北極30えもんはそれを右のポケットから取り出していた。そこで元の右ポケットに押し込んでやった。すると、
ちゅいーんんんん、ちゅいんちゅいいいいいーんんん、ちゅいんちゅいちゅいんちゅいーーーーーーん
という機械音がした。倫子は驚いて北極30えもんを見た。すると北極30えもんの目に細かい数字が流れるように表れては消えた。そして10秒くらい立って
「ああ倫子さん」
北極30えもんは目覚めた。
「良かったー」
と倫子は思わず大声を上げてしまい、再び周りの顰蹙(ひんしゅく)を浴びたが、そんなことはもうどうでも良かった。
「壊れたのかと思っちゃった」
と倫子が言うと
「十分以上本体を取り外していると、機能を停止するんです」
と、北極30えもんが言った。
「それなら最初から言ってくれれば」
「まさか倫子様がセミナー中にこれほど長時間楽しまれると思っていなかったのです」
まあ、と倫子は赤くなってしまった。たしかに、さきほど出て行ってから一時間近く経っている。雛子とのやり取りを差し引いてもゆうに30分はやってしまったのだ。倫子は少し反省した。
「あー、早く部屋に帰って北極30えもんとセックスしたいよー」
と倫子は心の中で叫んだ。
(つづく)
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