北極30えもん6 | biko先生のマネー奮闘記

北極30えもん6

「第一話 バイブえもん登場!」その6
すっかり潜ってしまった。それも深海へ。ダイバーリーゼント社は底知れぬ会社だ。アパートに着く頃には倫子は心身ともに疲れ果てていた。

ダイバー社に向かう途中、そういえば女子社員はいないんだったか?と思った。細野課長に聞いてみると
「いますよお。やあね倫子さんったら。レズにでもおなり?」
おなりじゃねーよ!おならでも引っかけてやっか?と倫子は内心憤慨したが、
『女いたんだー???』
という方に思考が優先された。
行ってみると、た・し・か・に・いた。うさぎのきぐるみ、猫のきぐるみ、カンガルーやレッサーパンダなんかまでいる。カモノハシさんがお茶を運んできた。
「お茶でーす」
「はあ?ありがとうございます」
そこへ401Kを担当する昆布巻CFOが入ってきた。
「やあ、皆さんいらっしゃい」
すかさず細野課長が
「昆布巻CFO、すばらしい。『萌え』ですな」
とおべんちゃらを言った。
「OH Yeーs。よくお分かりですね。萌え、の市場は当社が独占しまーす。その為、社員全員が高次元な『萌え』を理解しなくてはいけませーん。その為の社員教育でもあるのでーす」
「さすがアメリカ帰りのMBA!」
「No!No!グローバリゼーションの現代にアメリカ帰りもMBAも関係ありまっせーん」
そんなやり取りの横で倫子は、
「社員教育ー?」
と口に出してしまった。
「Yeーs。女性社員は『萌え』を提供する側、男性社員はそれを享受する側の研修でーす」
ばか?馬鹿?BAKAなのこの連中?単なるコスプレじゃん!それもこの女どもは何?保母さんか?

「ねえ、北極30号。聞いてる?大変だったのよ」
「ええ分かりますよ倫子さん。お仕事というのは何時の時代も大変なものです」
「でもさあ、現代のお仕事って無意味に大変だよね。まだセクハラがどうのって言ってたバブルの頃の方が健全だったんじゃない?」
「さあてどうでしょう?時代時代にパラダイムというものがございますから、違う時代から来た私がとやかく言うことでは無いでしょう」
「パラダイスって言っても、あれはダイバー社の馬鹿社員どもにとっての楽園ってだけよ。現実逃避、生の女を満足させたことなんか無い連中だわ!」
「あの、申し上げにくいのですが、私が申し上げましたのはパラダイム、つまり『規範』のことです。まあ価値観といいますか、美意識とか正義感なんかも含まれましょうか」
「げげ!勿論、分かってたわよ。何しろ私ってば有名金融コンサルタント会社の金融プランナーなんだから。ちょっとした駄洒落(だじゃれ)よ!」
「申し訳ありませんでした」
「そんなことよりー。早くちて。ね」
「はいはい分かってます。でも夕食はよろしいのですか?」
「取り敢えずー。1ラウンド済ませてから。ね」
「えっと、それではどんなモードで」
「だから、ね・っ・ち・り・で」
「はい。それは予約済みなんですが、他にもいろいろ細かいモード設定がございます。まあ、まだ慣れてませんから全てノーマルでよろしいでしょう」
「ちょっと待った。それは【深・突】とかのことでしょ?」
「いいえ、そいうのはなされいる最中にご操作頂くものです」
「え?じゃ、他にあるの?」
「まあ、いろいろ」
「例えば?」
「射精機能も付いてます」
「ええ!?ほんと!?」
「はい。スイッチはここ。左肩の裏」
「ほんとだ。なになに?【熱・冷】?何これ?」
「ああ、射精する精液が熱い方がいいか冷たい方いいかってことです」
「それとーー、うん?【多・少】?フンーーー!!」
「精液の量が多いか少ないかです。お好みで」
「じゃあ、【多】でお願いちまちゅ。ポ!いやん恥ずかちい!」
「いいえ当社のお客様統計でも【熱】【多】の組み合わせを選択なされるお客様が全体の七割に上るという結果が出ています」
「そうだよね。私に言わせれば【冷】【少】なんてボタンいらないよ」
「まあ、色んな趣味趣向の方がいらっしゃいますし、顔射を好まれる方もいらっしゃいますから」
「なるほど!でもそれなら【少】は分かるけど【冷】はどうなのかな?」
「まあ【冷】と言っても人肌並ですから」
「へえ?じゃ、【熱】は?」
「40℃に設定してございます。丁度、温泉の温度でございます」
「はあー。温泉の暖かさがあそこの中にジワーっと広がって、まあ、桃源郷の心地良さ。うっとり」
「他にもですね」
「もういいわ。お話は結構。実践あるのみよ。さあ。さあさあさあ」
「じゃ、いきます」
「お願いちまちゅ」
「ちなみに、舌にも動作モードがございます」
「舌ってベロちゃんのこと」
「ええ、取り敢えず一番人気のある【遅・ローリング】でいきます」
ぺろんぺろんぺろんぺろんぺろんぺろん
あふん、あふふん、あふふふん、あふふふふん、あふふふふふん、あふふふふふふん
ぺろんぺろんぺろんぺろんぺろんぺろん
うん、ううん、うううん、ううううん、うううううん、ううううううん
ぺろんぺろんぺろんぺろんぺろんぺろん
お、おお、おおお、おおおお、おおおおお、おおおおおお
「ねえん、もう欲ちいよ」
「駄目ですよ。もう少し辛抱なさい。辛抱が多いほど実りも大きいのですよ」
「えー?ー?ー?」
ぺろんぺろんぺろんぺろんぺろんぺろん
「もう、堪忍して!限界!」
「仕方の無いお客様ですねえ。じゃ、先っぽだけ。亀の頭だけ入れて上げましょう」
ヌポッ。しーん。
「うごいてー」
「先っちょだけですよ」
すこすこすこすこすこすこすこ
あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ
「もうううう、奥までーーーー」
「お客様、もう少し辛抱なさらないと困ります」
「だめ、だめ、だめ、だめ、もう駄目なのー。ね、お願い」
ずぷーーーーー
あっップ、
ずずずずーっこん、ずずずずーっこん、ずずずずーっこん
あふっあふっあふっあふっあふっ
「ぱんぱん!」
ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん
たっぷり!

「はー、気持ちえかったー。ひさびさ、こんなに深く満足しちゃったの。でも、ねえあなた。ロボットのくせして焦らすなんてやるじゃない」
「まあ、そのようにプログラムされておりますから」
「プログラム?はあ、優秀な会社なのねえ」
「いいえ、このプログラムはあなたのご子孫様がなさったものです」
「げ!」
「お客様のことを良くお分かりなんですよ」
「ちょっと恥ずかしいわ。でも、なんで分かんの?」
「ご子孫様はいつもお客様のことを見ておいでです」
「いつもー?ちょっと!どういうこと?」
(つづく)