北極30えもん9 | biko先生のマネー奮闘記

北極30えもん9

「第一話 バイブえもん登場!」その9
「うう~ん」
ぺりょんくにょんぬっちゅっぺりょんくにょんぬっちゅっぺりょんくにょんぬっちゅっぺりょんくにょんぬっちゅっ
「あああああああ、、ああ」
ぺりょんくにょんぬっちゅっぺりょんくにょんぬっちゅっぺりょんくにょんぬっちゅっ
「んんんんん、むふっおおおん」
ぺりょんくにょんぬっちゅっぺりょんくにょんぬっちゅっぺりょん
「うおおお、うおーん、ほーーんん」
ぺりょんくにょんぬっちゅっぺりょんくにょんぬっちゅっ
「あっ!」
ぺにょん
「ふーっ」
爽やかな朝だった。
「モーニングセックスコールサービスって最高!誰が考えたの?」
「社のカスタマーリレーションシップセンターでございます」
「これほど顧客の要望に充実した回答を出せるなんて、あなたの会社って凄いわ!」
「光栄でございます」
「でもお料理、お掃除、お片付けまでセットになってるなんて至れり尽せりね。誰が考えたのかしら?バイブにお掃除までさせる機能を付けようなんて!」
「長い時間を掛けて進化してまいりましたから」
「はあー、未来人の英知の結晶よねあなた」
「それほどではございません」
「でもあれかー、24世紀っていえばもう何でも自動って感じでしょ?」
「自動?と申しますと?」
「貴方みたいなロボットがなんでもやってて人間は遊んでるだけ、って感じ?」
「とんでもございません。そうですね。そういう意味ではこの時代より自動化は後退しております」
「後退?」
「ええ、まず道路は歩くのが普通です。自動車はあまり走ってません」
「歩く?分かった!空港みたいに道路が動くんでしょう」
「いいえ。舗装された道路がほとんどありません。みんな土です」
「へ?なんで?まさか石油が枯渇して、エネルギー危機が!?」
「まあ、そういう心配もありましたが、一番は健康の為です」
「健康?」
「はい。歩くのが一番、健康に良いのです。特に精神面のですね。いらいらやストレスが収まります」
「へえ、なるほどね。今、問題の切れっるって奴も無くなるかな?」
「勿論でございます。そもそも人間も動物の一種族ですから、身体を動かすのが普通ですから」
「ははあ。なるほどね」
「あとエレベーターとエスカレーターもございません」
「え?じゃ、高いビルも健康の為に歩いて上るの?」
「勿論です」
「ひえー。死ぬよね」
「大腰筋が鍛えられるので、お腹が出ません」
「うんーー。なんとも言えないなー」
「自動ドアもありません」
「え?」
「腕を鍛えるためです」
「なんか24世紀ってスポーツジムみたいだね?」
「そうですね。鍛え上げた身体の人は尊敬されます」
「ふんー。じゃ、今より科学は遅れてるってこと?」
「まあ、不要なところには使わないということです」
「と言うとどいうところに使ってんの?」
「そうですね」
と北極30えもんは少し考え込み、
「私のような慰安用でしょうか?」
「じゃ、これから300年間の人間の科学は、バイブの進化のためにあったっていうこと?」
「そうとも言えます」
「う~ん。複雑ね」
「まあ、未来人は機械化が嫌い、ということもあります」
「機械化が嫌い?」
「自然派志向なのですよ」
倫子は納得できるようなできないような、まあ、それほど深く考える必用が無いような気がしたので、取り敢えず話を打ち切り、北極30えもんの膝の上に乗った。
「ねえーん。今日お休みなんだー。まだ、八時だよ。もう一眠りちたい」
「お休みですか。どうぞごゆっくり」
「あーん。一つ教えて欲しいんだけど、例えば今から一時間後にまたモーニングセックちゅコールって出来ますー?」
「それは出来ません。朝だけのサービスでございます」
「やっぱり。がっくりだわー」
「しかし、代わりに『お昼ねコール』というものがございます」
「ふふーんん!!それはもしや」
「お昼寝中のお客様をお約束の時間にセックスで起こして差し上げるサービスでございます」
「そのサービス乗った!あ!?でも『お昼ね』って言うからにはお昼じゃないと駄目なんじゃ?」
「このサービスは時間の不規則な方用に考案されたサービスでございますから、朝八時半より夕方四時半までご利用頂けます」
「ありがとう北極30えもん!それじゃ、えっと9時にお願い」
「お承(うけたまわ)りました」
倫子は期待にどきどきしたが、より良いセックスの為に、より深く眠るよう努力した。
『こういう時、日頃寝不足で良かったわー。簡単に眠れるもの。ああ、でもより深く眠るために全身の力を抜いて、腹式呼吸、ゆっくりと鼻から吸ってー、はい口からゆっくりと吐いてーーー、最後に肛門をキュッと締めて息を全部吐き出すー』
などと考えている間に睡魔に襲われ、結局2回ばかり腹式呼吸しただけで寝入ってしまった。
(つづく)